エッセイ

-鋭意執筆中!-

2月県議会開会にあたって

第343回兵庫県議会が開会しました。

冷戦終結とともに幕を開けた平成。バブル崩壊によるデフレ経済と相次ぐ災害に見舞われたこの30年間は、兵庫県にとっても、阪神・淡路大震災からの創造的復興と行財政構造改革に取り組んだ時代でした。平成の終わりを迎え、人口減少、少子高齢化、東京一極集中の流れは止まりません。阪神・淡路大震災の風化の懸念や自然災害への備えも急務です。米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱など孤立化、分断化の動き、株や為替の不安定な動きなど、世界や日本経済の先行きへの不透明感も高まっています。

一方で、未来の息吹が芽生えています。

一つは、働き方の多様化です。ライフスタイルに応じた働き方を望む女性や意欲ある高齢者が増えています。起業に挑む若者も出てきました。

二つは、革新的技術の活用です。ドローンが災害現場やインフラの点検などで活躍しています。遠隔授業により、小規模校の生徒同士が互いに学び合っています。手術支援ロボットの開発や再生医療の臨床応用が病に苦しむ人たちに希望を与えています。AIやIoTなどの技術が社会を変えつつあります。こうした動きを兵庫の輝きに変えていかなければなりません。

三つは、交流・環流の拡大です。若者を中心に地方をめざす動きが生まれています。カムバックひょうご東京センターを通じて移住した人の8割が20代から40代の人たちでした。定住人口の増加に向け、交流人口や関係人口を増やしていく必要があります。 もう一つは、関西の時代の到来です。

関西は、古より都が置かれ、歴史・文化遺産、教育研究機関などに恵まれており、個性豊かな地域が独自性を持ちながらも、互いに認め合い、発展を遂げてきました。自国第一主義の風潮が拡がり、世界が協調から対立へと進んでいる今こそ、経済力や文化の異なる多様な地域が連携してきた関西が、世界にその存在を示すときです。

G20サミットの開催。9月のラグビーワールドカップを皮切りに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ2021関西へと続く、ゴールデン・スポーツイヤーズ。そして、2025年の大阪・関西万博の開催へと、世界の注目が関西に集まる機会が続きます。関西一丸となって、地域の魅力を発信し、世界の成長を取り込み、関西全体の発展、ひいては、国土の双眼構造の実現につなげていかねばなりません。多様性と連携により成長してきた兵庫こそ、その先導役となるべきです。

昨年の兵庫県政150周年の節目は、子どもたちを含め多くの県民が、過去を振り返り、未来を考える機会となりました。明治維新では、欧米列強に対抗できないとの危機意識から、幕藩体制に変わる中央集権国家が生まれました。あれから150年、価値観が多様化し、物の豊かさよりも、心の豊かさが求められる時代となっています。東京一極集中も加速しています。相変わらずの画一的、標準的発想の中央集権体制のままでは乗り切れません。必要なのは、分権型社会への変革です。県政150年を迎えた今だからこそ、兵庫がその先頭に立たねばなりません。

未来は向こうからやってくるものではありません。今に生きる私たちが自らの手でつくりあげるものです。

5月には、新天皇が御即位され、新元号となります。阪神・淡路大震災から25年の節目の年でもあります。平成から次の時代へ、転換期を迎えた私たちに必要なことは、未来を実現するという強い志を持ち、そのための第一歩を踏み出すことです。兵庫のめざすべき姿を描いた「兵庫2030年の展望」は、その道標です。未来の活力の創出、暮らしの質の追求、ダイナミックな交流・環流の拡大の3つを基本方針に、新時代にふさわしい「すこやか兵庫」をつくる、2019年はそのスタートの年です。今年こそ、元気な兵庫をめざす取組を進めていきます。生活、産業、人、地域など、多様性と可能性にあふれ、健全で元気な「すこやか兵庫」を実現する。まさに個性豊かな五国が一つになった多様な兵庫の真価が問われていると言えるでしょう。

兵庫のこれまでとこれからをつなぐのは今を生きる私たち。兵庫の新たな時代をともにひらいていきましょう。