エッセイ

-鋭意執筆中!-

阪神・淡路大震災25年追悼式典

阪神・淡路大震災から25年の歳月が過ぎました。互いに支え合いながら、創造的復興をめざして歩み続けたこの25年は、長いようにも瞬く間のようにも感じられます。

あの大震災は、兵庫に未曾有の被害をもたらすとともに、成長から成熟へと向かう時代の転換点にあって過度な人口集中、高齢社会の到来など近代都市の抱える問題点を浮き彫りにしました。私たちは、そこから単なる復旧復興ではなく、21世紀の成熟社会を見据えた創造的復興をめざして、内外からの温かい支援を力に変え、県民一丸となって懸命の努力を重ねてきました。

その過程では、高齢者の見守り体制やこころのケア、ボランタリー活動への支援といった先導的な取り組みや、阪神・淡路大震災復興基金、被災者生活再建支援制度、住宅再建共済制度など、被災地の実情に即した新たな仕組みが生まれました。

こうした経験と教訓は、内外の被災地復興に生かされています。

2005年の国連防災世界会議では、兵庫の経験と教訓を踏まえて国際的な防災指針「兵庫行動枠組」が策定され、また、2015年に策定された「仙台防災枠組」では、兵庫が実践してきた創造的復興が“Build Back Better”として盛り込まれました。

東日本大震災で効果を発揮した関西広域連合によるカウンターパート方式の支援は、その後の熊本地震や豪雨災害での広域支援で更なる広がりを見せています。

また、兵庫県では、新たに大規模災害時のボランティア活動を支援する制度を創設し、県民ぐるみの被災地支援に取り組んでいます。

阪神・淡路大震災以降、東日本大震災、熊本地震、大阪府北部地震などの地震災害だけでなく、台風などによる豪雨が頻発し、被害が激甚化するなど、わが国は「大災害時代」に突入しています。今後、国難ともなりうる南海トラフ巨大地震の発生も危惧されており、備えを強めなければなりません。

それには、過去から学び、未来につなぐことが大切です。しかし、兵庫においても震災を経験していない県民が増え、震災の風化が懸念されます。それには、過去から学び、未来につなぐことが大切です。しかし、兵庫においても震災を経験していない県民が増え、震災の風化が懸念されます。

このため、震災25年の節目を控え、昨年4月から「震災を風化させない」-「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」を基本コンセプトに、県民総参加で、とりわけ震災後に生まれた若者世代の参画を得ながら、震災の経験と教訓を発信し、災害への備えや対策の充実につなげる取り組みを展開しています。

また、次なる災害に備え、建物の耐震化などの地震対策、防潮堤の強化などの津波・高潮対策、治山・砂防の推進とともに、高齢者や障害者など災害時要援護者の避難対策、地域での実践的な防災訓練など、自助、共助、公助を組み合わせた防災・減災対策を進めています。

今後の大規模広域災害に対し、より強固な体制で備えることも大切です。関西広域連合による防災体制の強化はもとより、事前の備えから復旧復興まで一連の災害対策を担う防災機関の創設に向けた提案を進めます。

震災から25年を迎え、兵庫もようやく復旧復興から新たな兵庫づくりに目を向ける時代となりました。令和の時代の到来とともに今、私たちは新たなステージを迎えています。

県民、団体、企業、行政が一体となって安全安心な社会を築き、その基盤の上で、人口減少対策、少子高齢化対策、新産業の振興、人材育成など、当面する県政課題に正面から挑み、震災を乗り越えてきた力を再び結集して、人と地域の未来に夢や希望が広がる、豊かで生活の質の高い「すこやか兵庫」の実現に全力で取り組んでいくことをお誓いします。